暗闇での犯行、長女のオカルト漫画押収…埼玉の父刺殺

埼玉県川口市の製薬会社員の男性（４６）が、私立中学３年の長女（１５）に自宅マンションで殺害された事件で、殺人容疑で送検された長女が「勉強はあまり好きではなかった」と供述し、自室からはオカルト漫画が押収されていたことが分かった。また、犯行は真っ暗な室内で行われていたことも明らかになっており、県警は不安定な心理状態から犯行に及んだとみて調べを進める。

　調べでは、１９日午前３時５分ごろ、長女の叫び声を聞いた男性の妻（４９）が寝室に駆けつけたところ、真っ暗な部屋で胸を刺されてベッドにうずくまる男性と放心状態の長女を見つけた。父親は「電気をつけてくれ」と訴え、長女は逮捕直後、「お父さんが家族を殺す夢を見た」とパニック状態で話したという。

　長女は県内の私立中高一貫校に通い、漢字検定３級や英語検定準２級を取得。将来の夢について、「薬剤師」と答えていた。成績は中位だったが、今月期末試験では成績がやや下がっていた。親しい友人には成績降下を気にしている様子を見せ、事件前日には英会話の追試験を無断欠席していたという。

　調べに対し、「勉強はあまり好きではなかった」「父とは普段から会話はなかった。『勉強しろ』『はい』以外の余計な会話はしていない」とも供述していることから、県警は長女の携帯電話、担任との「往復日誌」などを分析し、勉強の悩みと動機に関連がないか調べる。

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